-風-
爽やかな風が吹くと、とても気持ちがいいものです。
だから、私は風が心地よく動いている場所が大好きです。
私たちの体の中にも、5つの方向に風が吹いています。
その風とは、体内の、あらゆる流れや動きを起こすもののことを指しています。
その風のことをヴァーユと呼びます。
余談ですが、インドでは風の神さま、風神のこともヴァーユと呼んでいます。
吸う息のプラーナヴァーユ。
主要な風。
息を吸ったり、食べものや水を飲みこんだり、知識や情報を取り入れて覚えること、酸素やそこに充満するプラーナを取り入れます。
吐く息のウダーナヴァーユ。
上方に向かう風。
息を吐いたり、言葉を話したり、過去の記憶を引っ張り出し、思い出すことができるのもウダーナヴァーユの働きです。
バランスをとるサマーナヴァーユ。
平衡をとる風。
体の中心にあって、小腸や肺の中などの酸素の動きを司り、上半身と下半身、体の前と後ろ、体内と体外のバランスを取ります。
循環させるヴィヤーナヴァーユ。
拡散する風。
栄養や酸素の循環、それによってもたらされる筋肉の動きや関節の動き。感情や想念の動きもヴィヤーナが司ります。
排泄などを司るアパーナヴァーユ。
下方に向かう風。
大腸付近に位置し、排泄、排尿、出産など、体内から体外に向かう働きを支配しています。
上に向かうエネルギーと、地に向かうエネルギーとの反対向きのちからが同時に働くことによって、
私たちも樹木と同じようにバランスを取り続けることができます。
アーユルヴェーダのアビヤンガは、この体内の風の流れにそって行っていきます。
背中は上方へ。足は下に向かって足先に。お腹はぐるぐるとバランスをとりながら円を描いて。
そうすることで、私たちの体がしっかりと天と地のバランスを保てるようにとのことからです。
風の流れを整えることで、体の機能も整うと考えられているのですね。