宇宙のあやつり人形
「ヒンドゥー教では、その無数の神々は無数のキャラクターであって、
いきつくところはブラフマン(宇宙)と呼ばれる無形のパワーだと考えられている。そして我々個人の魂はアートマン(個、自我)と呼ばれている。
アートマンはブラフマンのあやつり人形だと、あるインド人は私に言う。
すべてのアートマンはブラフマンと合体できることを望んでいる。
それは自分のダルマとカルマにかかわっているそうで、ダルマとは義務のこと。カルマとは自分の果たしたダルマによって微妙に変わるバランスシートのことだそうだ。
ダルマを果たしカルマのバランスが良いと、自分のアートマンがブラフマンと一緒になれる。すなわち天国へ行けるということだ。
それがかなわないときは、また転生しなければならないそうで、ブラフマンに行き着くための自分の道をそれぞれ捜すことが大切なことだという。」
バラタナティアムの素晴らしいダンサーであり私が師として仰ぎ尊敬する、マチコ・ラクシュミー先生の書籍「魅惑のインド舞踊 バラタナティアムを踊る 」を読み返していて目にとまったフレーズです。
それぞれに今自分がいる場所。
そこでしか体験できないことや、そこでしか見ることのできないものが必ずある。
その体験のために運ばれて、今ここにいる。
そこでの必要な経験をすべ終えたら、また次の場所へと運ばれていく。
その実体験によって無意識が意識に昇り、次は慎重に取り組むことができ、うまくやれるようになる。
その繰り返しの中で、自らが研ぎ澄まされていく。
失敗というものはない。
失くして敗れたとしても、そこで終らず前向きに次に繋げれば成功。
私は度々、
夢うつつの時に上の方から力強い声が聴こえてくることがあります。
「自らの声を叫べ」
「生きて学びなさい」
この二つは私自身のなんらかのカルマを解消するために特に必要なダルマなのだと直感しています。
肩の力を抜いて、安心してそこにいて、そのタイミングに自分の元にやってくるものを受け入れて、感じて、考えて、行動して、この身を軽くしていることで、自らにできたスペースに自然に宇宙のパワーが漲って、あやつり人形であることを真剣に楽しめるんだなと思います。