プラギャーパラダ
いのちの本質は
成長すること
いのちの目的は
幸福の拡大
「身体が持っている自己修復能力は、アーユルヴェーダでは『自然知性』と呼んでいます。自然知性とは、個人の理知が、マハト(宇宙の理知)とつながることで、身体において免疫力や自然治癒として表現されたものです。
私たち個人の理知は、マハトとのつながりが、さまざまな誤りによって途切れています。
例えば、お腹がいっぱいなのにデザートに甘いものを食べてしまったり、寝不足なのに夜更かしをしてしまうのもそのせいです。
本来ならばそんな欲望を持ったり行動をとるはずがないのに、誤ってしまうのです。
このような過ちを、
『プラギャーパラダ』(Pragyaparadh =mistaken intellect' 理知の誤り)と呼び、これによって人は病気になるのです。
理知の誤りには大きく三つあります。
1.誤った理解
間違った健康観や、間違った知識に基づいて判断し、それを実行してしまうことです。例えば、幼い子供が大人に間違ったことを教わり、いのちについて間違った行動をとることです。
これは、正しい知識をもつことで直すことができます。大人は自らの生活を正しくすると同時に子供に間違ったことを教えないように注意するべきです。
2.自制の欠如
間違った行為だとわかっているのにやめられない、あるいは煽ってしまうことです。例えば喫煙や飲酒がそうです。身体によくないとわかっているのに飲んでしまう。またはいけないことだと知りながら暴力を振るったり、盗んでしまったりすることです。
3.記憶の障害
アーユルヴェーダでは人の内なる記憶のことを『スムリティ』と呼びますが、これは自然知性の記憶です。もともと持っていたはずの自然知性の記憶を失ってしまうのは、心がバランスを失っているときです。※心の質の要素であるラジャス(活動性)やタマス(不活発性)が大きく乱れた結果です。
ラジャスが乱れると高慢、自己中心的、怒り、妬み、癇癪を引き起こし、タマスが乱れると無知、陰気、不活発、抑うつ状態を引き起こします。
この状態にあると、人は自分が間違ったことをしていると気づくことができず、心と身体に大きなダメージを与え、やがて遺伝子を破壊し、ガンなどの大病をすることがあります。」
「いのち」の取り扱い説明書 ココロも身体も健康になるインドの教え
人間は幸福になるようにできている
医学博士 蓮村 誠 著より抜粋