プールヴァカルマ スネハナ&スウェダナ
アーユルヴェーダにおける療法は、簡単に言えば、体に悪影響を及ぼす溜まった不要なものを体外に排出させる浄化法です。
その浄化法は3つの段階に分けて行われていきます。
①前処置 プールヴァ・カルマ(準備段階)
身体のいろいろな場所に溜まった毒素や菌を集め排出しやすくします。
油剤法(スネハナ)・発汗法(スウェダナ)がこれにあたります。
Arunachalaのサロンで行っているのはこのプールヴァ・カルマです。
未病・予防のための浄化法として日常のケアに取り入れて頂くことを目的としています
②中心処置 プラダーナ・カルマ(治療段階)
専門の医師の指導の下、治療として行われる浄化法のパンチャカルマ(5つの行為・治療法)です。
③後処置 パシュチャート・カルマ(回復段階)
パンチャカルマを行った後、消耗した体力を回復させるためにホームケアとして、医師のアドバイスを受けながら行う、食事療法、薬草療法。自然の強壮薬剤などを使用したアフターケアです。
=前処置 プールヴァカルマについて=
油剤法 (スネハナ):
オイルを用いて行うトリートメント全般のことを指します。
アビヤンガ、シーロダーラー、シーロバスティなど。
アビヤンガとは直訳すると「身体にオイルを塗ること」でオイルマッサージを意味し、オイルを塗ることで体内の毒素を集めていきます。
アーユルヴェーダでは揉んだりほぐしたり、マルマと呼ばれるエネルギーポイント(中医学の経穴の概念と類似)を刺激したりということも行いますが、一番大切なことは、その方の今の状態に合ったオイルを選び、全身にくまなく塗り込んでいくことと考えます。
施術前
〇減食をする
〇夕食は消化に負担のかからないもの
〇アーマ(未消化物)をためるものは避ける
〇食事30分前に生姜を摂る
〇白湯を飲む
施術後
〇発汗法(スウェダナ)を行う
〇風などにあたらない
〇昼寝は禁物
〇冷たい飲食物を摂らない
〇消化によい食事を摂る
〇運動を避ける
〇感覚器官の過度な刺激を避ける
〇翌日、排泄をしっかりとすること
<油剤法に適した人>
発汗法をする人、日常的に飲酒、性行為、運動をする人、考えすぎの人、老人、子供、虚弱の人、痩せた人、水分がない人、貧血、性的に虚弱の人、ヴァータの乱れた人。
<油剤法に適さない人>
食直後、消化不良、食欲不振、嘔吐、肥満、発熱時、静脈瘤、高血圧、生理中、妊娠中、癌、腫瘍、下痢、カファの疾患がある時、アルコール摂取時。
油を塗ることによって一時的に消化力が落ちるため何でも消化に関係のある病気の時はしない方がよいと考えます。発熱時、生理期間中、妊娠3か月目までは消化力は落ちると言われています。
発汗法(スウェダナ):
アビヤンガでやわらかく排出しやすくなった毒素とオイルを汗とともに排出させるトリートメントのことを発汗法(スウェダナ)と言います。
体内の経路(スロータス)を開き、身体の緊張や重さ、冷え、痛みを和らげていきます。ハーブスチーム(パーシュパ・スウェダ)・ハーブボール温熱(ピンダ・スウェダ)、ハーブバス、シャワーなど。
ハーブスチーム(パーシュパ・スウェダ)
自然のエネルギーを重要視するアーユルヴェーダでは、基本的に木製のスチームバスを使用します。体内のスロータスを柔軟にして広げ、細胞の深部まで入り込んだ不純物を排出します。通常はアビヤンガの後に行い、温めることで血行が促進され体内の毒素が排出されやすくなります。
薬草を煮出した蒸気を全身に浴び、スチームバス内を45℃~48℃の温度で設定し、約5~20分蒸していきます。
その際、頭部は温めないように保護します。毛穴と汗腺を開き、塗布したオイルが肌を柔らかくして薬草の有効成分を体内へと浸透させていきます。
ハーブボール温熱(ピンダ・スウェダ)
木綿の布に、生の薬草や乾燥した薬草を入れ持ち手をつけたボール状にして、鍋やフライパンなどで熱を加え、それをオイルを塗った肌に直接押しあてて発汗を促していくもの。スチームが苦手な方、ピッタが乱れている方の発汗法として、また、打ち身や関節など体の痛む部分に押しあてて痛みを和らげるものとしても使用されます。
ハーブバス
鍋で煮出した薬草を入れたお風呂
発汗法を行う際の注意点
1発汗前には十分な水分を摂る
2毛穴が急激に開くので、皮膚を保護するためにもアビヤンガは必ず行う必要がある
3ハーブスチームやサウナを行った後、温度差によって身体を冷やさないようにバスタオルなどで必ずおおう
4人によっては熱に耐えられない人もいるため、その場合、心臓部分などに濡れたタオルをあてる
5ハーブスチームやサウナが初めてで苦手で抵抗がある人でも徐々に身体が慣れてくる
6ハーブスチームやサウナを行う際、場合によっては頭部を冷やしてあげることもする
7男性は陰嚢の生殖機能に関係してくるため(機能がなくなってしまう恐れがある)濡れタオルなどをあてる
<発汗法に適さない人>
脱水症状、発作、てんかん、妊娠中、生まれたばかりの子供、高血圧、腎臓に異常があるとき(汗を大量に出すため、ナトリウムが出てカリウムの濃度バランスが上がってくるため腎臓に負担がかかり腎臓に関係する器官の負担にもなるため)
※Arunachalのサロンでは遠赤外線サウナを使用しています。
その他、火を使わない発汗法
運動、温かい部屋、厚着、温湿布、日光浴