プラダーナカルマ
②中心処置 プラダーナ・カルマ(治療段階)
専門の医師の指導の下、治療として行われている浄化法のパンチャ・カルマ(5つの行為、5つの治療法)です。
身体の5つの出口(鼻、口、小腸、大腸、皮膚)から、ドーシャを司る座の最も近い出口、それぞれがそのドーシャの一番近い出口から過剰なドーシャやアーマを薬草やオイル、ギーや塩など自然の薬剤を用いて排出させていきます。
パンチャ・カルマについて
1.経鼻法 ナスヤ (鼻)
喉、鼻、副鼻腔、頭部を浄化するもので、過剰になったカファやアーマを排除します。点鼻する液の例として、水50ml、しょうがの粉末 茶匙8分の1杯、黒砂糖 茶匙4分の1杯を溶かして鼻腔に滴下します。
2.催吐法 ヴァーマナ (口)
胃や胸腔に過剰になったドーシャ(主にカファ)やアーマを体外へ排出させて粘液やうっ滞を除去する方法。
ハーブ煎剤を服用して吐かせます。
3.瀉下法 ヴィレーチャナ (小腸)
小腸に過剰になったピッタやアーマを排除する方法です。皮膚病、慢性の発熱、痔核、痔瘻、痛風、黄疸、胃炎、心疾患、目の灼熱感、結膜炎、咳、喘息、便秘などに効果があります。
使用するものとして、センナ(ラナワラ)の煎剤やヒマシ油(カスター、トウゴマ)、ギーなどを口から服用して下します。
4.浣腸法 バスティ (大腸)
主に大腸に過剰になったヴァータやアーマを排出させます。薬草の煎液を適量浣腸と油と少量の岩塩とで浣腸するものと2種類あります。
便秘、腹満、風邪、精力減退、腎結石、腰痛、頚部痛、坐骨神経痛、関節炎、通風、リウマチ、神経疾患、ヴァータ性頭痛、老化など、ヴァータ異常に有効でヴァータ性疾患の80%以上に効果があります。
5.瀉血法 ラクタモークシャ (皮膚)
ラクタ(血液)のマラ(老廃物)としてのピッタや血流中を巡るアーマを皮膚や血管から排除する方法です。
蕁麻疹、発疹、湿疹、ニキビ、白斑、化膿性扁桃炎、皮膚や骨の難治性疾患などに効果があります。伝統的な方法としては治療用として飼育されているヒルに30分ほど血を吸い取らせる方法がありますが、最近では、注射器で血液を抜き取り新しい血液を造血させて体内の血液を浄化していく方法が主流となっています。
-パンチャカルマから得られる効果-
・心の中のごみの浄化(心身共のネガティブな影響を取り除き、前向きな姿勢で取り組むことができるようにする)
・身体の組織的なバランスをとり、健康と幸せをもたらす
・体内浄化によって病気の予防につながる
・身体の部位におこりうる病気を未然に防ぐ
・免疫システムの強化
・老化防止