アーチャーラ・ラサーヤナ
ラサーヤナ(広義の意味での強壮法)
ラサーヤナとは、食事によって体内に取り込まれたものがうまく※オージャスや組織に変換されていくための種々の手段を含んだ言葉。
※オージャス‥病気を防ぐ命の活力素。心身を健康にする生命エネルギーのこと。日々の食べもの・食事によってつくられる。ドーシャのバランスを整え、こころとからだの機能を調和して活発にし、病気を防ぐための免疫力を高める。オージャスがあると、こころもしっとりと安定し、ゆらがない。またオージャスの多いひとは本来もつ自分のもち味が発揮されているので、とても魅力的。オージャスを増やすには、オージャスの多い食べもの、食べかたをすることが大切。
(「オージャスのひみつ」服部みれい 著 蓮村誠 監修より)
二つのラサーヤナ
①ハーブ調合剤
②行動のラサーヤナ(アーチャーラ・ラサーヤナ)
‥生理機能を整え、消化や代謝機能全体を向上させて食物をより滑らかにオージャスに変換させる方法で、20以上もある行動に関する指針であり、見方によっては堅苦しい生活規範のように思えます。しかし、内容はどれも当たり前のことを言っており、これら当たり前のことによって私たちの心は強くなります。これを実践する人にはラサーヤナ薬は必要がないとまで言われています。
アーチャーラ・ラサーヤナ
1 常に正直であり真実を語る
2 他人を傷つけず思いやりをもって接する
3 セックスとアルコールにふけらない
4 睡眠と目覚めのバランスがとれている
5 過度な緊張と怒りから解放されている
6 暴力をしない
7 決して無理をせず穏やかで平和的である
8 規則的に寄付をする(知識・金銭・食物など)
9 尊敬すべき人を尊敬する
10 何か行動をするときは常に全体を考え合理的に計画を立てて実行する
11 規則的に新鮮で質のよいミルクやギーをとっている
12 自己本位でない
13 行儀がよい
14 単純である
15 やさしい話し方をする
16 清潔である
17 安定している
18 瞑想をしている
19 霊的理解をもつ
20 気候や季節に従った生活をする
アーチャーラ・ラサーヤナを実践する際に気をつけることとして、これらの項目が教訓的な強制力をもって※ラジャス的な激しい気持ちを抑え無理をして穏やかに努めたり、※タマス的な怠惰な状態に鞭打つように頑張ってもあまりよいとは言えません。どれかひとつでもいいので、自分にできるものをできるときにこころがけるようにすることが大切です。※サットヴァが優勢の状態の時には、このようなことを自然にやっているものですが、習慣によって身につくものでもあるので、あえて意識して行うことも必要です。
補足:
項目1の「常に正直であり真実を語る」と項目2の「他人を傷つけず思いやりをもって接する」とありますが、もし、正直に話すと他人を傷つける場合は話さないようにします。たとえば、相手がとても気にしている身体的なことなど、正直に言えば当然その人が傷つくことがわかる時は言わないようにします。
項目8の「規則的に寄付をする」ですが、もし、何も持っていなければ、何かお手伝いをする、前向きな言葉がけをする、微笑みかけるなどの寄付もあります。もの・お金・知識・言葉・行為など、なんでもあげられるものをあげるという意味です。