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無縁社会


絆なき社会といふも そも人の

「世間」をいとふ 心に因らずや



介助をし 受くる心の重圧を

「世間」ゆ来る 牽制と解く



階段を 下りて別なる校舎へと

移るに友に手を借りずあり



ひとたびに 縁をつくれば

分を守り生活せよとの 声の聞ゆる



姿なき 牽制による自己規制

そを嫌ひてや 孤を選ぶらむ



貧困は 言ふに及ばず死別など

単身者を待つ「身元不明」か



輝ける いのちに立ちて

自づから 絆むすばむ恐るるなかれ




歌集『いのちゆいのちへ』 遠藤滋

 -Ayurveda salon-

  Arunachala アルナチャラ

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