ドーシャを整える
- arunachala-ayurveda
- 2024年6月4日
- 読了時間: 3分
否定ではなく、引き出す方法
アーユルヴェーダで自分の生活(ライフスタイル)を変えていく場合、禁煙や節酒のように大きな努力を必要とするだろうか。
これからドーシャのバランスをとり、アグニを改善する方法を紹介するが、このとき古い治療のパラダイムにおちいらないように気をつけなければならない。一般には治療イコールがまん・節制だと理解されている。「良薬は口に苦し」といわれるように、いいものを手に入れようと思えばがまんと努力が必要というパラダイムである。
しかし、ドーシャ理論を知っていれば、努力やがまんは不必要だということがわかるであろう。なぜならドーシャのバランスを整える治療は悪いものを否定する作業ではなく、同じドーシャの二つの側面のうちバランスのとれた側面を引き出す作業だからである。
つらい努力を必要としないもう一つの理由は、この作業のなかにギャップの構造が隠されているからである。たとえば、怠惰な性格はカパの増悪により生まれ、穏やかな性格はバランスのとれたカパから生まれる。この二つは深いところでカパの重さと安定性という本質につながっている。だから、怠惰な性格を恨んでいるのなら、それを否定してはならない。否定すれば自己嫌悪の泥沼におちいるだけである。怠惰のなかに重さと安定性を感じて、穏やかさの質に変換するきっかけを見つけることこそ怠惰をのり越えてカパのバランスをもたらす方法である。一度、もっとも抽象的なカパの質まで降りて、そこからバランスを立て直すこと、ここに小さなギャップの構造がある。そのときにはつらい努力を強いて自分を否定する必要はなく、楽しい気持ちで自分のドーシャを立て直すことができるはずだ。
これから学ぶドーシャのバランスをとる方法は、この小さなギャップの構造を越えて新しい自分を引き出す方法である。ドーシャの否定的な側面を肯定的な側面にきり替える、あるいはバランスのとれたドーシャの質を記憶のなかから取り戻すことである。
同一と反対の法則
ドーシャを調整する方法は「同一と反対の法則」(Low of similar/dissimilar)にしたがうことである。
この法則は
⑴同じ性質のものはその質を強めあい、
⑵反対の性質はその質を弱めあう、
というものである。
つまり、熱いものに熱を加えるとさらに熱くなり、冷たい水を加えると熱が弱められる、というごく単純な法則である。
ヴァータは軽さと動きの質を持っているが、それ以外にも冷たさの質を持っている。だから、ヴァータの質が強まって不安が増している人に冷たい飲み物を与えると、ますます不安が増す。逆に温かい飲み物を与えるとヴァータが緩和され、不安がおさまる。この法則にしたがって、翌日の仕事を心配して不安で一杯になっている人には温かくて少し重いスープを出してあげるとよい。また怒りでプリプリしている人にはそっと冷たい飲み物を出すと怒りがおさまる。
これが「同一と反対の法則」である。
各ドーシャの持っている代表的な質は、ヴァータは軽さと動き、ピッタは熱と鋭さ、カパは重さと安定性であるが、この基本性質以外にもヴァータの冷たさのようにいくつかの質がある。それを知れば、あとは「同一と反対の法則」にしたがってドーシャをコントロールできる。
『アーユルヴェーダの知恵 蘇るインド伝承医学』
高橋和巳 著
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