創造的に我は生きたし -日比谷一万人集会-
障害の身にあればこそ
手を借りて 創造的に我は生きたし
基本的人権をしも 全うす
介助といふはその腱にあり
障害を〝機〟とは捉ふる 我なれど
介助の保障 なくば詮なし
昼夜とも 絶ゆることなく介助をば
要する者を 忘るるなかれ
新法は 四年をかけて作らむと
壇に登りし 大臣は述ぶ
介助にし 携はる者の待遇を
そにふさはしき ものとなすべし
介助をし 受くる現場に
新制度 作る人らは 一度入るべし
日比谷にて「我々障害者は」と叫ぶ
そに なにとなく疑問を覚ゆ
障害を〝機〟とは捉へて
わがいのち 活かして生きむと ふと思ひたり
以後われを 障害者とは括るまじ
受くる差別は重くあれども
固有なる いのちの姿は違へども
互ひに活かし 生かしあひたし
歌集『いのちゆいのちへ』遠藤滋