新しく生きる
「思い返してみれば、これまでの人生、生きることは頑張ることであった。この、頑張って生きることだけを選ぼうとしていた状態が、つらかったのだ。
ー 自分をもっと自由にして、新しく生きるとは?」
「気持ちが変わると、私たちは気づかぬうちに、今まで選ばなかったことを選びはじめる。
すると、日々生きる行動の基準が自然に変わり、私たちの行動が現実を作りかえていく。希望にそって現実が変わりはじめるのだ。
心の中で新しい生き方を始めた私たちは、まだ現実との新しい接触の仕方を知らない。でも、新しい選択を始めているから現実の反応は昔とはまったく変わってくる。
その変わりように、私たちははじめは戸惑う。
だから、新しい出来事が起こりはじめたとき、それは本人にとっては自分が予期できなかった『事件』である。
今まで自分の生き方を制限して苦しめていた現実が、今度は自分の根元的な希望の前で変化していく。自分が動きを変えると、現実が、人との結びつきが変わりはじめる。それは自分が新しい選択を始めたからだ。
自分が受け容れるものが変わりはじめれば、私と関係をもっている周りの人たちも、変わる。私は自分の『影』の部分を受け容れた。であれば、私は彼らの『影』の部分も自然に受け容れるだろう。
嫌っていた人を好きになるように、私は彼らに受け容れられて、彼らとの関係が楽になる。そんなふうにして、それは人間関係の古い『枠』を変えていく。
『枠』が変形する。それは思いがけない『事件』だ。」
「新しく生きる」
精神科医・医学博士 高橋和巳:著
「わかる」とは、脳の中で『言語化』されること。人は『言葉』によって認識を変える。
行動をつくるのは、
心のこもった『実』がある言葉。
精神科医・高橋和巳先生のお言葉です。
だからこそ人は、
言葉のやりとりが、とても大切なのだと。