植物からのプレゼント
「植物は光合成によって生命活動を営んでいますが、その過程で私たちの生活に有用なプレゼントをもたらします。それは、おいしい食べ物、きれいな空気、緑の薬の3つです。
①おいしい食べ物
三大栄養素(糖質、脂質、たんぱく質)やビタミン、ミネラルなどを含んだ野菜や果物がこれにあたります。人間は生命維持に必要な栄養素を得る上でも、植物から多くの恩恵を受けています。植物が独立栄養生物(他者が生成した物質に依存しない)、動物が従属栄養生物(他者が生成した物質に依存する)と言われる由縁です。
②きれいな空気
人間は植物から得た栄養素と呼吸で得た酸素を燃やしたエネルギーで生命活動を営んでいるので、酸素なしでは生きていけません。その過程で呼気から二酸化炭素を吐き出していますが、植物は光合成で二酸化炭素を利用し酸素を供給します。
また、植物はシックハウス症候群の原因物質であるホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物を取り込んで空気を浄化してくれます。観葉植物を置いたり、森林浴をしたりすると気持ちが良くなることからも、それはわかります。
③緑の薬
植物はおいしいだけでなく、機能性を持つ植物化学(フィトケミカル)成分を含んでいます。また植物は、栄養素だけでなく、色素成分や芳香成分、呈味成分などの非栄養素も生合成しています。こうした物質の植物体内での役割は不明のことが多いのですが、これらの非栄養素成分を上手に使うと、人間の生体防御機能や恒常性を維持するのに役立つことが次々と立証されています。メディカルハーブはこうした物質の宝庫であり、自然がもたらす安全な薬だと言えます。」
特定非営利活動法人
日本メディカルハーブ協会
ハーバルセラピスト・テキストより抜粋
植物はその根から吸収した水と、私たちが排出する空気中の二酸化炭素から、太陽の光を利用して葉緑体でグルコースと水を作っている。グルコース、酸素、水がなければ私たちは生きてゆけない。
人間にとって植物は命そのもの。
「人間が自然の中で行うべき役目とは何なのでしょう。地球上に人間が存在している以上、人間でなければできない役目というものが必ずあるはずです。それはバランスの調整ではないでしょうか?
動物も植物もそれぞれが重要な働きを担っていますが、些細なアクシデントでこのバランスは乱れてしまいます。気象条件、天候不順、火山の噴火や地震などでも、動植物の生態系は変化してしまいます。ある場所で特定の種が増えすぎただけで、生態系のバランスは崩れてしまいます。
余っているものを不足しているところに移したり、増えすぎたものを適正な数に戻したり、足りない個体数を増やしたり、地球全体を見ながらバランスを整えるという作業は、知恵と力と行動力をもった人間でなければできないことです。‥(略)‥
命の循環を続けるには、人間だけではなく、他の生き物たちにとっても豊かに生活できる環境がなければいけません。
自然と共に生きるのではなく、自然の中で、自然の一部として人間が生きるためにはどうすればよいのかということを、私たち人間は考えていかなければならないのだと思います。」
『生き方は星空が教えてくれる』
木内鶴彦 著