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河原に住む人々


いつの間に かく増えたるや

多摩川に 仮の宿りの一軒二軒



家族らは 郷里にありや

河原にて 猫を友とし皆暮らしをり



リヤカーに 缶をひと山 集むとも

その日の糧に なほ足らざりき



せつかくに 得たる銭もて

猫用の 缶詰買ひて そを与ふとは



定職に 就かむと行きし 面接に

住所の故か また落さるる




歌集『いのちゆいのちへ』 遠藤滋

 -Ayurveda salon-

  Arunachala アルナチャラ

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