精神科医・高橋和巳先生の本
「絶望することのできる人は、それを受け容れ、最後には乗り越える。私たちは絶望を通り過ぎることによって、運命を知らなかったときよりも、ずっと主観的になる。そして、自分を縛っていた古い客観性という解釈から解放され、自由に動きはじめる。私たちは自分を変えはじめる。
私はもう何をやってもいいのだ、と悟った私は運命から自由になる。自由になった私は、自分を好きなように変えはじめる。その私は、運命の重さを十二分に承知した自分である。客観性の存在を味わい尽くした自分である。」
-精神科医・高橋和巳-
高橋先生は、元・都立松沢病院の精神科医長であり、今は「風の木クリニック」というクリニックを開業され、カウンセラーの教育もされている先生。
今、わたし自身も高橋先生からカウンセリングの技術や心得を学ぶ機会を得ている中で、深い部分の癒しが起こり、救われています。
虐待(愛着形成不全)を受けた人を「被虐者=異邦人」とする新たな概念を発見し、複雑でわかりにくく誤診の多い精神の病、そこから生きづらさを抱えて苦しんでいる人たちの中でも、カウンセリングで救える人がいる。
目に見えて悲惨な虐待、また、周囲からも当事者自身にもわかりにくい心理的ネグレクトであっても同様の症状がでるということ。そして、その症状は、被虐者=異邦人によるものとは気づかれることもなく、脳機能障害による精神障害や発達障害と誤診されてしまうケースが非常に多いそうです。
脳機能の障害があるかないか、幼少期に母親との愛着関係が成立しているか?現時点での心理の発達段階は?それによって、カウンセリングが有効かどうかなど、クライアントの治療方針や支援の方法を見立てていく「見立て8型」。
高橋先生から学ぶ時間、発せられる言葉を聴くたびに、軽やかで気さくでわかりやすい解説の中にも、今までたくさんの患者さんやクライアントの方々と真摯に向き合い、関わってこられたであろう強い説得力と大きな愛情が伝わってきます。
このような素晴らしい先生に出会えて、実際に教えを受けることで、自らの視野が拡大してゆき、新たな視点を受けとることで、心が解放されてゆく感覚。心からの感謝と共にとても幸せを感じています。そして、得た学びをひとつひとつ活かしてゆきたいと思います。
先生の本、どれもおすすめです。